フィギュアスケートの音楽

冬の花形スポーツ、フィギュアスケート。
皆さんご存知の通り、音楽に合わせ技を披露しながら滑走する競技ですがフィギュアスケートに使われる音楽は、クラシックから映画音楽、ジャズ…など多様なジャンルから選曲されています。
そこで今回は、フィギュアスケートでよく知られる曲や今期、前期に使用された曲を中心にご紹介していきます♪

歌劇『トゥーランドット』より
誰も寝てはならぬ(プッチーニ)
ピアノ協奏曲第2番(ラフマニノフ)バラード第1番(ショパン)
フィギュアスケート×クラシックといえばまずはコノ曲!2006年トリノ五輪での荒川静香さんのイナバウアーで一躍有名になりました。また、キム・ヨナさんが現役最後の舞台に選曲したことでも知られています。「トゥーランドット」はプッチーニが最後に手がけたオペラで、この『誰も寝てはならぬ』は三大テノールの1人、パヴァロッティによるCD大ヒットでも知られる名作です。浅田真央さんのソチ五輪での演技が印象深いラフマニノフのピアノ協奏曲。日本女子スケート史に名を遺す伊藤みどりさんも1992年、銀メダルを獲得したアルベービル五輪でこの曲を選曲しています。今シーズンはカザフスタンのトゥルシンバエワ選手も選曲。大物に愛されてきた名曲です。ソリストには極めて高度な技術が要求される、ラフマニノフの出世作です。羽生結弦選手が2014-15から2期連続、そして2017-2018(平昌五輪)で使用した名曲。浅田真央さんも2010-2011にこの曲を選択しており、フィギュアファンの方にとっては外せない曲ではないでしょうか。繊細でありながらダイナミックで、ピアノ奏者にも人気の作品です。ショパンは同時期に『スケルツォ第1番』や『華麗なる大円舞曲』など数々の傑作をかいています。
取り扱い譜
吹奏楽(前田卓編曲)
サクソフォン5重奏(岩村雄太編曲)
木管8重奏(林佳史編曲)
金管8重奏(高昌帥編曲)
取り扱い譜
吹奏楽(上岡洋一編曲)※ピアノパートなし
吹奏楽(宍倉晃編曲)※ソロピアノパートあり
取り扱い譜
サクソフォン4重奏(足立正編曲)
死の舞踏(サン=サーンス)スペイン奇想曲(リムスキー=コルサコフ)ペールギュント(グリーグ)
昨シーズン女子選手初の4回転サルコーを決めたカザフスタンのトゥルシンバエワ選手が今シーズンのショートプログラムで選曲したのがこの『死の舞踏』。織田信成さんキム・ヨナさんもショートに選曲した過去があります。不気味な死神や骸骨による一夜の物語(元となったのはカザリスの詩)がありありと描写されています。リスト編曲のピアノ独奏版も有名です。韓国フィギュア期待の星、イム・ウンス選手が今シーズンショートプログラムで選曲。全5曲が収められた作品ですが、イム選手は第4曲『情景とロマの歌』の前半部分、そして第5曲『アストゥリア地方のファンタンゴ』のエンディングを組み合わせています。タンバリンやカスタネットを使用し、全曲中にスペインの華やかでエキゾチックな香りが漂う作品です。驚異の15歳、数々の4回転ジャンプ(女子史上2人目の4回転サルコウ、女子史上初の4回転トウループetc…)を成功させているロシアの新星、トゥルソワ選手。彼女が今年のショート勝負曲に選んだのが「ペールギュント」より『ソルヴェイクの歌』(第2組曲)、『山の魔王の宮殿にて』(第1組曲)。元々は戯曲のために27の作品がかかれ、その中から管弦楽のための組曲が2つ編まれました。
取り扱い譜
吹奏楽(前田卓編曲)
取り扱い譜
吹奏楽(鈴木栄一編曲)※全曲版
吹奏楽(巽俊裕編曲)※セレクション版
サックス6+打2(小野寺真編曲)
取り扱い譜
吹奏楽/第1組曲(鈴木栄一編曲)
吹奏楽/第2組曲(鈴木栄一編曲)
サクソフォン4重奏/ソルヴェーグの歌
(小長谷宗一編曲)
金管8重奏/第1組曲(高昌帥編曲)
金管8重奏/第2組曲(高昌帥編曲)
月の光(ドビュッシー)リベルタンゴ(ピアソラ)トスカ(プッチーニ)
昨年グランプリシリーズ初挑戦で日本人初優勝を飾った紀平梨花選手がショートプログラムに選曲したのがドビュッシーの『月の光』。原曲はピアノ曲ですが、紀平選手はオーケストラに編曲された作品を使用していました。この曲は「ベルガマスク組曲」という4つの小品から成る組曲の第3曲目で、組曲の作曲開始から完成まで約15年かかったと言われています。世界最高点を何度も塗り替え、今も世界歴代最高得点を持つ、ロシアのメドベージェワ選手。彼女が昨シーズンのフリースケーティングで選曲したのがピアソラの『リベルタンゴ』。タンゴ、クラシック、ジャズ…とたくさんの要素を組み込んだピアソラの音楽は、宮原知子選手(2018-2019FS)やトゥルシンバエワ選手(2018-2019SP)などにも選曲されています。脱獄した政治犯の逃亡を手助けした容疑でとらえられた恋人、カヴァラドッシを救うために警視総監を殺害するも、カヴァラドッシは処刑され、主人公トスカも自殺する…という悲劇の中で歌われる、美しいアリア『歌に生き、愛に生き』を中心としたショートプログラムを昨年組んだのが、前出のメドベージェワ選手。このアリアはマリア・カラスが歌ったことでも有名です。
取り扱い譜
吹奏楽(前田卓編曲)
フルート3重奏(鈴木栄一編曲)
サクソフォン8重奏(宇田川不二夫編曲)
取り扱い譜
クラリネット8重奏(越井慶編曲)
サクソフォン9重奏(山口哲人編曲)
リコーダー6重奏(越井慶編曲)
取り扱い譜
吹奏楽/歌に生き、愛に生き(前田卓編曲)
吹奏楽/第3幕より(前田卓編曲)
金管バンド(宇田川不二夫編曲)
ウィリアム・テル序曲(ロッシーニ)四季(ヴィヴァルディ)カルメン(ビゼー)
大柄な身体を活かしたダイナミックな滑りが印象的な田中刑事選手が昨シーズンのフリースケーティングに選曲したのが、クラシカルながら親しみやすいロッシーニの『ウィリアム・テル序曲』。オペラはオーストリアの圧政下にあるスイス軍が戦い、自由を手にするストーリーが描かれています。ちなみにロッシーニはこのオペラを書き終えた後、30年以上にわたる引退生活を始めました。『和声と創意の試み』中の第1~4曲の総称が、この『四季』。各曲3つの楽章から成り立っており、各楽章にはソネットが付されています。昨シーズンのフリーでこの『四季』の中から、寒さで身震いする様を描いた冬-第1楽章、虫が飛び回る夜を描いた夏-第2楽章、激しい雷鳴や雹があたりを支配する様子を描いた夏-3楽章を組み合わせたのが樋口新葉選手でした。クラシックに詳しくなくともその名を耳にしたことがある人も多いであろう、『カルメン』の音楽もフィギュアによく使用されています。昨シーズンはロシアのミハイル・コリヤダ選手が、カルメンの中からアダージョ、ハバネラの2曲を選曲しました。オペラは、自由奔放に生きるジプシーの女性カルメンの恋模様を中心に描かれています。詳しくはコチラ(2019年1月/音楽の台本)。
取り扱い譜
金管8重奏(林佳史編曲)
取り扱い譜
クラリネット6重奏(鈴木栄一編曲)
サクソフォン8重奏(越井慶編曲)
取り扱い譜
吹奏楽/全セット(高昌帥編曲)
吹奏楽/オペラ形式(鈴木栄一編曲)
ファゴット6重奏(石原勇太郎編曲)
クラリネット6重奏(石原勇太郎編曲)
クラリネット8重奏(須永真純編曲)
サクソフォン8重奏(前田恵実編曲)
トロンボーン4重奏(佐々木亮輔編曲)
トロンボーン8重奏(西谷伸二編曲)
金管8重奏(林佳史編曲)
ロメオトジュリエット(プロコフィエフ)展覧会の絵(ムソルグスキー)G線上のアリア(J.S.バッハ)
両家が対立しているゆえに結ばれない男女の物語を描いたシェイクスピアの『ロメオとジュリエット』。多くの作曲家によって作品がかかれていますが、プロコフィエフとニーノ・ロータの『ロメオとジュリエット』を昨シーズン選曲したのがアメリカのブレディ・テネル選手。プロコフィエフのバレエ音楽『ロメオとジュリエット』からは『モンターギュ家とキャプレット家』を使用。総演奏時間30分越えの大曲『展覧会の絵』からプロムナード、グノム、リモージュの市場を組み合わせ昨年のフリーに挑んだのが白岩優奈選手。元々はピアノのための作品でしたが、今ではラヴェルによる管弦楽版も広く知られています。作曲者の友人ハルトマンの遺作展を訪れて得た10作への印象と、展覧会の絵と絵の間を歩く様子(5つのプロムナード)を描いた作品です。バッハ作の正式名称は『管弦楽組曲第3番ニ長調BWV1068』の第2曲「アリア」。これをヴァイオリニストのウィルヘルミがピアノ伴奏つきのヴァイオリン独奏に編曲する際に移調し、ヴァイオリンのG線のみで演奏できるようになったことから『G線上のアリア』と呼ばれるようになりました。この曲を昨年のショートに選曲したのが、山本草太選手でした。
取り扱い譜
吹奏楽(高昌帥編曲)
サクソフォン8重奏(宇田川不二夫編曲)
取り扱い譜
吹奏楽(鈴木栄一編曲)
金管バンド(鈴木栄一編曲)
バリチューバ4重奏(前田恵実編曲)※ビドロ
取り扱い譜
クラリネット4重奏(越井慶編曲)
クラリネット6重奏(鈴木栄一編曲)
木管6重奏(小長谷宗一編曲)
リコーダー4重奏(岩村雄太編曲)
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